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2012年12月30日 (日)

何気ない言葉に・・・

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情はひとの心に通うものであり、人の存在そのものが、そこにあるべきものとして期待されるとき、情はひとの心を打ち、生きる力を与える。先日見たBS放送のテレビは、心に残った。若い女医さんは、私にできることは、その患者さんのからだをマッサージしてあげることぐらいしかない、と気づいたという。患者は高齢、いま病床にあって、背中や足をさすってもらっている。 「ああ、いいきもち、若い人は力があっていいわね」、と新鮮な感覚で喜びを口にした。そして、「わたしの病気がどのように変化していくか、よくみておいてね」 と何気なく言った。

その言葉は何を意味するのか、我いのち尽きようとも、人の役にたちたいという思いだったのか、心を打つものがありました。女医さんは、返す言葉を失ってしまったようでした。

病に見舞われたその女性は、若いころの自分の姿を、その女医さんに見ていたのでしょうか、「若いひとはいいわね、やることがいっぱいあって」 と、あこがれにも似て、つぶやくのでした。

昭和大学の女医さんと患者さんの話しです。その女医さんは、「患者さんも先生なんだ、と思います」、「とくにあの患者さんには多くのことをまなびました」、と目を伏せて語った。清らかな水の流れのように哀感につつまれ、沈黙するのでした。

 

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