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2014年9月10日 (水)

昔、文化の香り高い国があった

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 もう長安の都は、よほど遠くなった。明州までくれば後は海を渡るだけ。阿倍仲麻呂は、36年ぶりに海のかなたの日本を思う。玄宗皇帝においとまをつげ、楊貴妃とも別れの言葉を交わした。
見送りのためにここまで共をしてくれた人たちが、海辺で送別の宴をひらいてくれた。楽しく過ごした。和やかな談笑のひととき、一人ひとりの友情と厚情を思い、文化の花やかな長安城を思った。朱雀大路を行き交う人々が瞼に浮かぶ。
やはり、唐という国に、来てよかった思った。

  天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも

この歌は、その宴で、夜になり月がたいそう明るくさし昇ったのを見て詠んだと語りつがれている。古今集の左注に遺されている。
いざ海に出て船は難破、阿倍仲麻呂は、ついに故国の土を踏むことは叶わなかった。
その昔、そこに唐という国が、あったのでした。

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