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2015年3月20日 (金)

偽りごとの不安定さと破綻

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 世は信用がなくては、何ごとも成すことができない。広い社会にあっては、そのお互いの信用が、豊かな情感を醸成して進歩を促し、自他ともに明日への期待がわく活動の源泉になる。ところが、もとより他人に信を置くことあさましという風土は、信用というもの、まったく眼中になきがごとくに振舞う。ただもう、自己中心的に考えることしか知らない。そこに明日はなく、自らの限界の自覚なく、いつか挫折をまねくことを知らない。

古来の兵法の教えは、現代の価値観の前に、遺物となっていることに気づかず、いまだに、無知は無知として、あざむくことを至上の作戦としてきた結果、悲劇とも喜劇ともいえるものを生んでいる。現代においては、兵法よりも、ゆっくりとした時間の中に自らを養い、いかにして信用をえるか、がもっとも難しい問題であり、それを制したものが、一目置かれる立場を得ることができる。

だましのテクニックは、長期戦に耐えられず、その偽りごとの、もろさと不安定さゆえに、かならずや破綻する運命にある。相手をあなどって、我田引水、押せ押せの一点張りは、身のほども、行く手にあるものも見えず、自ずと弱点をさらけだすだけという結果に終わる。そういうところに共感を呼ぶものは生まれない。

日本が尖閣の古地図を公開したことについて、中国の報道官は、「歴史的事実は誰かが、無駄な努力をして探し出した1、2枚の地図で、くつがえされるものではない」と述べ、「必要ならば、中国に属すると明確に表記する地図を100枚でも1000枚でも探し出せる」と反論した、と伝えられる。身の痛さを感じて色を失ったか、下手な喜劇を演じているというしかないです。

 

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