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2015年3月11日 (水)

言葉の値打ち

150311b


 おだやかに生きるものは、でる言葉もおだやか。荒びて生きるもの、ことば粗野にして思慮を知らず。思いつきは経験の域をでず、放たれた矢は、自ら矛盾を感じて向きを変え、その身に降る。海の向こうから、良識を失うな、誠意あるなら、胸に手を当てて自問せよ、などという声が聞こえてきます。

人としてのあり方や生き方がずれていれば、礼もそれなりずれてしまうのかもしれません。高所から見下ろした言葉は、思い上がりにみえて、思わず、それはあなたのことですか、と密かに聞いてみたくもなります。良識をお持ちですか。誠意はおありですか。してきたことは素晴らしかったと胸をはれますか、と。

また、朴大統領は、日本は勇気を持って率直に歴史的真実を認めよ、と繰り返します。あなたさまに歴史があり、私にも歴史があるのですよ。ものごと、見る角度が違えば景色も違ってみえて当然でありしょう。歴史の大敵は、偽善と狂信だと思いますが、どうですか。日本が偽善で狂信だと、心からおっしゃるのなら、もはやお話しすることばがありません。

日本が統治した時代、衛生面と教育に力を注ぎ、多くの学校を建てました。なぜだとお思いでしょうか。生徒数は、45倍になりました。ハングルが読めるようになりました。識字率が向上しました。他の植民地教育にくらべ最高のものだと言われています。それらのよき遺産を受け継いで発展してきたのが、あなたさまのお国だと思いますよ。このこと、メルケル首相だっておそらくご存じないでしょう。日本とドイツでは、180度方向が異なっていたのでございます。だから、お国に対してあまり負い目を感じることはありません。それこそあなたさまの望む日本の本心ではないですか。

「勇気を持て、」にしても、「誠意あるなら、」にしても、普通なら、あまり人に対していえる言葉ではありません。アーカンソー・デモクラット・ガセット紙のポール・グリーンバーグ記者は、「言葉は、いわば、思考が通貨に形を変えたようなものだ」といったそうです。つまり、その通貨の価値が下がれば、思考も感情も、行動さえも、その価値が下がるというのです。ことばにも貧富の差があるという卓見でありました。アメリカのシャーマン次官の、「安っぽい喝采を浴びるのは難しいことではない」というひと言も、このことを言っているように思えるのでございます。

 

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