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2015年8月19日 (水)

未来への知恵を

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 300年ほども過ぎてみれば歴史として定まり結局は、歯車の回転に過ぎないという気もします。
安倍談話の冒頭は、歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならない。となっています。歴史の教訓とは何か。それにつづく言葉を拾ってみると、欧米諸国によって、経済のブロック化を進み、日本は大きな打撃を受け、「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤った。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。経済のブロック化が紛争の芽を育てた。というのです。

つまり、石油を含む経済封鎖がおおきな痛手となったということでしょうか。その歴史の教訓を深く胸に刻み、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます。という言葉に照応して、力の行使はだめだ、という教訓を得たのでありましょうか、自由で、公正で、開かれた経済を発展させ、世界の更なる繁栄をけん引していく。繁栄こそ、平和の礎だ。というのです。

国際秩序への挑戦が進むべき針路を誤った、というフレーズは、自戒の念であると同時に、他の国への警鐘でもある気がします。力を誇示することより、繁栄こそが平和なのだ、と進むべき道を定めているのです。そのために一層、力を尽くす。

いくつかの国から、慰霊を受けていることと、寛容と和解のために力を尽くしてくださった、すべての国に感謝の気持ちを表しています。必ずしもそうではない人たちもいるわけで、そこに思い至れば、ひとつの価値観を示して、このことは重要でした。

さらに、戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、2度にわたってのべ、二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。という言葉があります。戦時下、ロシア兵による凌辱の話しが残されており、満州から朝鮮をへての引き上げ時も、女性に対する傍若無人な狼藉の話しが残されています。現在も、事実でない、強制と奴隷という言葉で、女性の尊厳を傷つけてはばからないものもいる。私とすればそれこそ許しがたい思いで、その人たちには、人権を語る資格ないと思うですが、果たして彼ら胸に届いたかどうかは、別にして、歴史の断片を残したことは意味のあることだった、と思います。

この談話には、胸に刻みということばが6回でてきます。それは反語法に似て、全体として自戒であるようでじつは、聞くものの身にはね返ってくるような印象があるのでした。

 

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