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2016年12月31日 (土)

蟹の気持ち

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 BSテレビで、「寅さん、何考えていたの? 渥美清 心の旅路」という再放送をみた。渥美さんは、「風天」の俳号で270に及ぶ句を詠んでいた。折々に詠まれた俳句から、渥美さんの心の内をたどるという番組だった。
  蓑虫 こともなげに 生きてるふう   風天
最近、蓑虫は見なくなったけれど、一読してユーモラスで、なにか強く引かれる句だと思います。風雪の中でも平気、平気とでもいうように、生きているふりをしていると見ている、その感性がすごい。
  蟹 悪さしたように 生き         風天
蟹は横にあるく。どこから見ても、自分の方をみているように見える。いつも人の顔を見ながら、小心翌々として生きているような。蓑虫も蟹も、人の姿を写して共感をよぶ。

ところで、靖国参拝は、ただ鎮魂と感謝の気持ちをささげるもの。それをプロパガンダに利用するのは、人倫にもとる、卑劣なものだと思います。世界はそれぞれに、少なからず罪を負っているものを、それには、そ知らぬふりをしてものをいう。

渥美さんの句を、しみじみと味わってみれば、気楽な蓑虫と違って、ただ耐えて生きる蟹の気持ちに、涙さえにじんでくるような気がします。

 

  蓑虫 こともなげに 生きてるふう    風天

  蟹 悪さしたように 生き          風天

・・・・・・・・・
ままよ、何とでもいえ。


  あゆ 塩盛ったまま 固くすね       風天

  うつり香の ひみつ知ってる 春の闇   風天
  
春の闇がなぐさめてくれるというものだ。

 

 

 

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