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2016年12月25日 (日)

静かなるものへの理解者

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 いまもむかしも、世界各地から日本にきて親愛のまなざしでみている人たちがいる。かれらは何を感じてそう思うのだろうか。

『武士の娘』を書いた杉本鉞子(えつこ)は、コロンビア大学で七年間、日本文化を教えていたという。着物姿の先生として慕われていたという。その杉本鉞子のために生涯をささげたといってもいい人が、フローレンス・ミルズ・ウイルソンという人だった。鉞子とは十六歳年上のアメリカの人で、鉞子は姉とも母とも思っていた。

フローレンスは、鉞子がアメリカに帰った後も日本に残り、鉞子の郷里、長岡中学で英語を教えていたこともあった。日本に馴染んでいた。フローレンスは鉞子のよき理解者で、鉞子の遠い記憶を呼び覚まし、『武士の娘』を書かせた。それは七か国に翻訳され出版された。

昨日テレビで、外国から日本にきて老境に入ったひとたちの日常をみて、ふとフローレンスのことを思った。かの外国の人たちが日本に惹かれるものは何か、よくわからないけれど、漠然としてたぶん、静かなるものにあるのかも知れないと思う。静かなるものは生き生きとしている。

フローレンスは、「人間至るところ青山あり、とはよい言葉ね」と言ったという。日米のきずなを大切に思う心からでた言葉かもしれない。フローレンス七十六歳、鉞子のそばで青山墓地にねむる。

 

 

 

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