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2017年5月 9日 (火)

ある映画の記憶

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 月丘夢路とはなんという美しい名前だろうか。泉鏡花の原作の映画「高野聖」を思いだします。旅の僧は、山中に迷い込み難渋し、一軒の家にたどりつき、妖しく美しい女にであう。なぜか牛や蛙がいてしきりに鳴く、しようがないねえ、と女は裸身を見せながら動物たちに話かける。

あとでわかったことだが、女は、旅の者を世話し、そして、息を吹きかけ獣の姿に変える妖力があるのだった。牛や馬にされたものは町に売られてゆく。だが、ふしぎとその旅の僧は、姿を変えられることなく放され難をのがれたのだった。

その女を演じたのが月丘夢路さんだった。旅の僧は葉山良二、遠いむかしに見た深山幽谷のものがたりの印象は鮮烈でした。色香に落ちるものへの罰なのか、世捨て人の反逆か、美しくもおそろしい幽玄な世界に誘い込まれる。

映画「高野聖」は、人生の一ページに刻まれ、いまも思い出すことができます。月丘夢路さんという人がいたということ。その功績をたたえたいと思います。

 

 

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