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2017年7月24日 (月)

親愛の情のひとこと

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 まだ早い朝、起きだして散歩にでる。ひとり行く道は静かです。ゆっくりと時間が流れている。だれもいない空の下に身をおけば、まだ夜のなごりを含んだ風は、涼やかに触れ何の思いもよぎらない。すがしさだけがある。道端に夾竹桃の赤い花が一面に落ちている。まだ踏まれもせず、新鮮さをとどめている。

最近、なんとなく古い本をとりだして読んだ。池部良のエッセイ 『風、凪んでまた吹いて』(講談社文庫)。俳優募集の面接試験の審査委員の中に大スターの高峰秀子がいた。三作目の映画で共演した。その後、戦地にいき俳優はなくなった。復員して疎開先の茨木の片田舎に逼塞。しばらくして、ある日、

 「良ちゃん。元気で帰ってきたんだね。あたいだよ」

 「あたい、東京から来たんだよ」

と、高峰秀子が迎えの使者としてやってきた。朝の散歩をしながら、その一節がずっと浮かんでいた。新鮮なひびきがあった。高峰秀子は年下。「懐かしくて、可愛い恩人」と池部良は書いている。

 

 

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