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2018年5月27日 (日)

漱石の絵はがき

180527a


 ことしは明治150年、明治は純粋な時代だったのではないかと思います。ひとびとは真っすぐに歩こうとしてきた。いま純粋培養の夜が明けようとする。その朝のきれいな空気の中で、知力と期待をこめて世界に羽ばたこうとする。そんな時代のはじまり、いろんな人たちが生き生きとしてきて、この国の礎を築いてきた。

先日の新聞に、『夏目漱石 淋しい 英留学中はがき、1世紀ぶり確認 福井市内の古本店で』 という記事がありました。明治の空気がひょっこりと流れてきて何かなつかしいような、絵はがきに書かれた文字が絵の中に溶け込んで美しい。漱石がドイツにいる友人に宛てたものだった。漱石は文部省の命を受けたイギリス留学だったけれど、その途、失意の底にしずんで帰ってきたのでありました。

 「・・金ガナイカラ倫敦ノ事恰も頓ト知レナイ勉強モスル積ダガソウハ手ガ廻ラナイ・・・今日ビスケットヲカジッテ晝飯ノ代リニシタ餘リビールヲ飲ンデハイケナイヨ左様ナラ」

官費の少なさにさぞ不自由をしたのでありましょう。身につまされて物悲しけれど、ここにある絵はがきは美しいです。漱石という人が世にでてきたことは大きい。漱石は旧千円紙幣に描かれて栄誉を称えられた。一葉にしてもそうですが、皇帝でもない人物が紙幣に描かれるとは、世界の人々は、日本の文化の違い驚くそうですね。

 

 

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コメント

こんばんは!
以前、呉の海軍兵学校を見学した時、生徒館に使われているレンガは当時一つずつ紙に包まれた状態でイギリスから輸入されており、現在の貨幣価値でレンガ一つ1万円だと説明されました。
それだけ日本円と英ポンドの価値は違ったのでしょうね。
当時の留学生は皆、苦労されたのでしょうねぇ・・・。

投稿: FUJIKAZE | 2018年5月27日 (日) 22:44

FUJIKAZE さん
レンガ一つ1万円ですか、高価なものですね、それなら陶器も貴重品だったのですね。
それでもレンガを輸入したのは、国力もさることながら、欧米に学んで取り入れようと一生懸命だったのでしょう。
当時の文部省は、イギリスでの必要な生活費を分かっていなかったのでしょう。
明治のすばらしい人材が、技術優位の欧米にでて、苦労されて日本の近代化が進んだのは確かですね。

投稿: ちぎれ雲 | 2018年5月28日 (月) 06:57

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